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母の日 介護が必要な高齢の母に何をプレゼントしますか?

2017/02/07

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お母さんの介護に心を配っていただいて本当にお疲れ様でございます。毎日の事ですので、いろいろと大変な事もありますよね。大変な事ばかりと嘆かれる方も少なからずいらっしゃることでしょう。介護施設で働く中で昔「母」、今は「婆(ばば)」の人たちと沢山言葉を交わしてきました。お喋りする中で心の内をのぞかせて頂きました。少し書き残しておきます。母の日のプレゼントを考える機会に何か響くものがあれば・・・。

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一命をとりとめたものの

ご主人を亡くされた数年後に大病を患い、生死の境から戻ってきたAさん。退院後に来所されるようになりました。娘さんと二人暮らし。ゆっくりペースで過ごせば特に問題なく生活は出来るものの、心臓に持病を抱え常に頭痛・動悸・ふらつきがあったため目を離すことが出来ませんでした。解っていても「あまり世話をかけては・・・」とご自分で動かれるのでそのたびに親子喧嘩が絶えなかったようです。娘さんご自身もお身体に持病のある方でしたので、無理の出来ない体調でした。大病を経て命をとりとめたものの、元の生活には戻れず何かと支障のある中での生活でした。

母の日を過ごされた後で話してくださいました。『母の日祝ってもらったの。「今はあなたが私のお母さん役。いつもありがとう」って言ったら、泣かれちゃって。二人の姉たちもやってきて「○○ちゃん お母さんをありがとうね」って二人ともプレゼントをもらったの。
病気になる前は、身体が弱くて台所仕事もほとんどしなかった子が、一生懸命食事の支度をしてくれて・・・「おいしい? 」「今日の味付けはどう?」って聞いてくれるの。何から何まで世話になって・・・。』

いつも見てもらいながら、絶えず娘さんのことを気にかけておられました。「あの子は身体が弱いから・・」「私がいるばっかりに・・」「私が死んだらあの子は・・」と。

「今日は娘に褒めてもらえたの 上手に出来てるって」「娘と喧嘩して口をきいてもらえてないの」「下着を冷たくないように温めてくれるの・・」といろいろお話して下さいました。仲良し親子の風景が目に映るようでした。 
お互いがお互いを思いやれる素敵な親子でした。っが、夜中にトイレで起き疲れている娘さんを気遣い一人で動かれて転倒⇒骨折⇒入院となってしまいました。

一緒に過ごす時間が母の日のプレゼントなら、ほぼ毎日が母の日のようなケースでした。

会話が出来なくなった悲しみ

脳梗塞を患い、半身麻痺・車椅子生活のBさんはご主人と娘さん夫婦と一緒に暮らしています。母の日の事を尋ねると「は…な…ケー…」??? 花とケー? で、言葉のやり取りを重ねていくと「花とケーキ」で祝っていただいたそうです。
病気が快復したものの言葉が出しにくくなり、思うように意志が伝えられません。頭の中には沢山の想いがあふれているのに言葉に出せない・・・。社交的な性格で思いやりのあるBさん。人の痛みに敏感です。言葉は伝えられなくても寄り添って下さいます。「いいわぁ」「まあまあ」と単語+優しい表情で他の利用者さんに力を下さいます。

「ご主人と娘さんの名前を言えるように練習しませんか?」と提案した時、非常に驚かれた顔をされ、その後でとても嬉しそうな表情に変わっていきました。めちゃくちゃ照れながらご主人の名前を音に変えゆっくり・ゆっくり時間をかけて言えるようになりました。娘さんの名前も言えるようになりとても嬉しそうでした。名前を呼べるという事がこんなにも嬉しいことなんだって改めて学ばせいてた抱きました。

私は仕事として時間をかけることが出来ましたが、ご家族ではなかなか時間をかけることが難しいと思います。
でも自分の想いが伝わる、共感できるという事は本当に嬉しい事なんだと改めて気づかされました。

「こんなんなって(こんなふうになって)悲しい」がBさんの口癖の一つでした。「ご主人がいて娘さん夫婦と暮らせて、お孫さんも時々顔を見せに来てくれるし いいですね!嬉しくないんですか?」って尋ねたら。「悲しいけど幸せ」って。とかく辛い所に目を向けてしまいますが、陽のあたるところにも目を向けたいですね。

お母様が倒れられて現在の状況になるまでに、ご家族がどれだけ心を痛められたことか。日常に些細ないざこざや口喧嘩はありますが、静かな時間の内だと思います。『喧嘩出来る相手がいる』そのことの素晴らしさに気づいてもらえたら・・・。目の前のことだけに振り回されないでいられますように。

認知症の母に寄り添って

「今日、仕事の休みが取れたので一緒に過ごしたいのでお休みさせます。」息子さんからの電話連絡。認知症のお母様と二人暮らし。仕事に出る間はディサービスを利用されていました。
とてもおとなしい性格のCさん。ただ認知症という病との付き合い方が大変でした。息子さんはお一人で仕事を抱えながらの介護は、お辛い時間の方が多かったと思います。仕事で介護に携わっていれば いろいろな認知症の方と接する機会がありますから、経験を重ねられます。ですが、いきなり家族が認知症になってしまい、受け入れられない状況に面すると戸惑いの連続だと思います。最後は施設に入所にされましたが、優しい親子でした。

そのCさんは聞いたことには返事を返してくださいました。「わからないわ」「覚えてないわ」が口癖でしたので尋ね方に工夫しました。
・一緒に住んでいる人は? ⇒「むすこ」
・息子さんのお名前は ⇒「○○○」
・子供さんは何人 ⇒「○○○だけ」
・Cさんは○○○さんの事好き? ⇒・・・表情が崩れて嬉しそうな顔で「好き」

息子さんは「いけないと思いながらも、あまりいう事を聞いてくれないと手をあげたりして後で後悔します。」と介護の悩みを漏らしていました。でもお母さんは息子さんのことが「好き」なのです。

実際認知症の方の記憶がどうなのか、実感として分かりません。分からなくなりつつあるときが一番不安になるという方もいます。認知症になっても問題行動のない方もいらっしゃいます。10人いれば10人それぞれ、介護の形は違います。ただ記憶が残っていることをどこかで信じたい気持ちがありますね。「まさか自分の母親が・・」「なんで母が・・」と情けない想いに打ちのめされることが何度も繰り返されます。

だからCさんの嬉しそうな顔で言葉に出た「好き」には救われる思いです。

認知の方々と接していて知ったことは、嬉しい気持ちにはストレートに反応してくださいます。楽しい時間を過ごした時、お喋りが出来た時、美味しいものを食べた時 褒められた時等。嬉しい表情ですぐに伝わります。

「やってもどうせ分からないだろうけど・・・と思いながらも母の日なので一緒に外で食事をしてきました」と
思わず目頭が熱くなる言葉が伝えられました。分からなくてもお母さんの「嬉しい」の気持ちは息子さんにも伝わったと思います。大変な介護生活の中の涼風になれば何よりです。

まとめ

きっと家族には思っていても伝わらないお母さんの想いだと思います。皆さん「今更・・・。」「恥ずかしくて・・・。」「無理無理・・・。」「出来んわ・・・。」と言いながらも嬉しそうな表情をされるのが印象的でした。施設には御家族と連絡を取り合うノートがありましたので、「この想いは伝えたい!」と感じた時には、文字にしてお伝えさせて頂きました。次に来られた時の連絡帳には「あぁやっぱりお伝えして良かった。」と思うお返事をご家族から頂きました。

ただどうしても家と施設では違います。家はやっぱり家なのです。何といっても家なのです。大好きな大好きな家なのです。我がままや、甘えが出るのが家なのです。施設では見せない顔を見せるのが家なのです。その逆に家では見られない顔を見せるのが施設なのかもしれません。高齢の家族にとって家の持つ力はスゴイです。そして一緒に生活する家族はかけがえのない家族なのです。

目の前にいらっしゃるお母さんの想いが伝わっていますか? 一緒に過ごせる残された時間は誰にも分かりません。悔いが残らないようにしたいですね・・・。でも 決して無理はされませんように。ご自分のお身体も大切になさって下さい。

書いていると当時の空気感が思い出され懐かしくなります。まだまだ沢山の想い出がありますが、またの機会に。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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